災害時や停電時のために、乾電池式や充電式のライトを準備すると、ライトに関しては、準備万端といった気持ちになりがちですが、実は、それだけでは不十分だと考えています。
問題点は多数ありますが、まず1点目です。
『暗闇の中でも、活動できる』と過信している方は、特に注意が必要です。
普段、照明を消した時よりも、災害時の停電では、はるかに深い暗闇に包まれてしまうのです。部屋の照明を消した程度では、災害時に発生する停電の疑似体験はできません。
下の画像はインターホンですが、左側に緑色の小さなライトがあるのがお分かりでしょうか? これに限らず、様々な電化製品には小さなライトや文字が光っていることがありますよね。
また、普段は、カーテン越しとはいえ、外の街灯や近所の家の照明器具などから光の影響を受けています。
ところが、震災時などの災害時には、こうした様々な光の影響を一切受けないため、照明を消した時よりも、さらに深い暗闇に包まれてしまうのです。想像以上に暗くなります。
これは、停電を経験したことのある方なら、実感できていることかもしれません。
いつもの暗闇よりも、さらに深い暗闇に包まれてしまうため、いつも以上に動きづらくなる上に、ライトを準備していても、そのライトを見つけ出すこと自体が困難になります。
激しい揺れによって身体の向きや位置が移動してしまい、それによって、方向感覚が狂い、ライトを探そうと見当違いの方向へ進んでしまうかもしれません。
また、そういった暗闇のなかでは、割れたガラスや瓦礫など、かなり危険な物が近くにあっても、それに気づけずに回避できないという問題が発生してしまいます。実際、割れたガラスや瓦礫といった危険な物を踏みつけてしまい、それによって、足を大怪我し、動けなくなってしまった結果、逃げ遅れて、お亡くなりになってしまった方がいるのです。
ですから、ライトを探すために暗闇のなかを動き回るといったことは、しないほうが良い場合が多いでしょう。
手探りでライトを探すという方法も、おすすめできません。物が崩れ落ちそうな状態にありながら、なんとか落ちずに持ちこたえていた物に、手で刺激を与えてしまい、崩れ落ちるきっかけを作ってしまう可能性があるからです。物が落ちてくれば、大怪我をする可能性がありますし、場合によっては、命に関わる事態になるかもしれません。
こうした様々な問題に加え、他にも問題があります。
部屋の天井や壁にある照明のスイッチは、ドアや襖などの近く、つまり部屋の入口付近にあることがほとんどです。そのため、部屋に入る直前、あるいは入った直後に照明を点けられるため、普段は暗闇に困ることは少ないでしょう。しかし、乾電池式ライトなどは、部屋の入口付近に保管されていないことが多いため、部屋に入った直後に点灯できず、暗闇の中を歩き回る羽目になってしまう可能性が高いのです。
こうした問題が起こる可能性があるため、様々な対策が必要だと考えています。
私の場合、ヘッドライトやライトのリモコンを、キーホルダーやカラビナなどにつけ、腰部の服などにかけて常備しています。他にも様々な方法があると思いますが……。
また、寝室では、リクライニングベッド用のデスクにライトを常にぶら下げています。家具にしまうのではなく、ベッドの上から手が届く場所に、すぐにスイッチを押せるよう配置しています。
停電時に自動で点灯するライトも良い選択肢かもしれませんが、私は使ったことがないので、その利点や問題点を詳しくお伝えできません。
私が実践している【ライトを身体と一体化させる方法】は、場所を選ばずどこへでも持ち運べるため、廊下など各スペースごとにアチコチ、ライトを設置する必要性がなく、結果として必要なライトの数を減らせるという利点があります。
しかし、『自分は服にかけることを忘れてしまうだろう』と心配になる方は、先ほど例に挙げた停電時に自動で点灯するライトを設置したほうが良いのかもしれません。
また、ご家族が多い家庭や、お子さんや認知症などの要介護者がいるご家庭も、自動点灯タイプを選択したほうが、ごちゃごちゃ混乱せずに、より良いのかもしれません。
人それぞれ適切なやり方は違うはずですから、ライフスタイルに合わせて選ぶのが良いでしょう。
ヘッドライト
震災時は、瓦礫などをどかしながら逃げる必要があるため、両手を空けておくことが非常に重要です。懐中電灯では手が塞がってしまうため、ヘッドライトなどを選ぶのが良いでしょう。
ヘッドライトなどが、瓦礫などに埋もれてしまったり、衝撃で故障してしまう可能性を考慮して、念のために数個準備できるよう、私の場合、性能よりも安さを重視してヘッドライトを選んでいます。
折りたたみスタンドライト
ヘッドライトは、主に進行方向などの一点を集中的に照らす照明器具です。そのため、特定の場所や他の方向を照らしたい場面には不向きですし、その直線的で冷たい色合いの光は、食事中やリラックスしたい場面にも不向きです。場合によっては目に負担をかけてしまうこともあるでしょう。
実際に被災された方の中には、『食事中、懐中電灯の光は不気味で落ち着かなかった』『懐中電灯しか持っていなかったので、用途によって使い分けができず、使いづらくて疲れ果てたし、目が痛くなった』と話される方が多くいらっしゃいます。
この現象は、懐中電灯だけでなく、ヘッドライトでも同様に引き起こることでしょう。こうした理由から、私はヘッドライト以外の照明器具も準備しておく必要があると考えています。
下の画像のスタンドライトは、2WAY電源で乾電池も使用できるため、配線や電源を気にせず、場所を選ばずどこへでも持ち運べます。
また、手で持って使用することも、卓上に置いて使用することもでき、さらにライトの角度を自由に調整できるため、照らしたい場所をピンポイントで照らせます。一台で様々な使い方ができる、汎用性の高いスタンドライトなのです。
また、このスタンドライトは、30灯なので明るく、用途に合わせて明るさを2段階で調節可能です。
上の画像でサイズ感が、下の画像で折り畳んだ際の形状がお分かりいただけるかと思います。
この商品は折り畳むと、携帯電話ほどの大きさになり、かさばりません。
防災用のリュックサックに入れておくには、かさばらないことが非常に重要なのです。防災リュックには、あれもこれも入れたくなりますが、あまりに多く入れてしまうと、重くかさばり、結果として素早く動けなくなってしまいます。そうなれば、逃げ遅れてしまう可能性が高まるでしょう。快適性を考慮した上で、必要最低限のグッズに絞り、それらに関して、できるだけ小さいサイズの物を選んでコンパクトにまとめることは、非常に重要なポイントなのです。
このスタンドライトの商品説明ページでは、『折りたたんでコンパクトなので防災袋の中に常備しておくのもオススメ』と、防災グッズとしての活用を推奨しています。しかし、数年前までは、このような記述はなく、ライトの利便性に関する説明のみでした。
私個人が勝手に、防災グッズとしても使えるのではないかと考えていただけだったのですが、お店側が、防災グッズとしての利用を意識した説明へと変更したのは、近年の地震の多さや、近い将来に大規模な地震が起こる可能性が高まっていることによって生じた防災意識によるものなのではないかと推測しています。
このように、様々なサイトで表記の変化が生じるほど、様々な準備が必要な時代になってしまったのだと感じます。皆で頑張りましょうね。
イルミネーションライト
これは、おすすめ商品としてではなく、私が個人的に試してみたいと考えているライトです。通常、クリスマスやイベントの飾りとして使われることが多いイルミネーションライトを、なぜ震災時に活用しようと考えているのか、不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
主な理由として、防水性が挙げられます。もし家を失い、テント生活を余儀なくされた場合、外でライトを使う機会も多少あることでしょう。そのため、雨や水飛沫に耐えられる防水性は、それなりに重要であると考えました。
また、リモコンが使える点も魅力です。乾電池式でリモコン操作が可能なライトは他にもありますが、それほど多くはありません。リモコンがあれば、先ほど説明した「暗闇の中でライトを探す」といった問題が軽減されますし、怪我をして動けない時でも、立ち上がらずにライトを点けられます。
さらに、自由に形を変えられるワイヤーであることもポイントです。適切な形に変化させられるため、用途に合わせて柔軟に対応できます。また、物に巻き付けられるため、フックや台がない場所でもライトを使用できますし、高さの調整も可能になります。ワイヤーを広げず小さくクルクル丸めれば、テーブルの上に置いて使用することもできるでしょう。
また、ワイヤーであるため、瓦礫の隙間に物が落ちた時など、狭い隙間にもライトを差し込めるのではないかと考えています。
まだ試していないので断言はできませんが、防災グッズとして可能性を秘めているのではないかと感じています。
上でご紹介した2つのイルミネーションライトの商品購入ページに記載された説明文には、「防雨対応ですが、浸水には対応できませんので水中でのご利用はお控えください」とあります。しかし、この説明だけでは不十分なため、補足させていただきます。
これら商品の防水等級は4(IP44)ですが、この等級だけの場合、浸水だけでなく、ホースやシャワーなどで大量の水を直接かけることにも対応していません。また、防水等級に関する解説サイトなどでは、「防水等級4(IPX4)は雨に耐えられる」と説明されていることが多いのですが、これも不十分な説明で、実際には、短時間の小雨にしか耐えられません。大雨には対応していないのです。
そのため、あくまでテント内での使用を想定しています。しかし、壁のないタープテント内などで使用中に横殴りの強い雨が降ったり、一時的にテントの外に置いている間に突然雨が降り出したりすることも考えられます。こうした状況を考慮すると、防水等級4といった弱めの防水性であっても、ないよりは良いのではないかと考えています。
防水等級のことについては、当初、ソーラー充電器の記事で軽く触れる予定でした。しかし、先程のイルミネーションライトの購入ページに記載された説明文だけでは誤解を招く可能性があると感じたため、予定を変更して、この記事でも少しだけ補足として触れておくことにしました。
ハザードマップで水害の可能性が示されている地域にお住まいの方が、ソーラー充電器を購入する際は、浸水に対応している製品でなければ問題が生じる可能性が高いでしょう。「防水」と明記されていても、必ずしも浸水対応であるとは限らないため、防水等級に関する知識は不可欠だと考えています。
防水等級4以外の防水性能については、ソーラー充電器に関する記事で改めて解説しますので、ぜひ、そちらもご覧ください。
この商品購入用のページに記載されている『IP67防水仕様で屋外での使用も可能です。』という説明について解説します。
IP67の右側の数字(7)は、防水性能の等級を表しています。
具体的には、水深1mの水中に30分間沈めても問題がないレベルです。短時間の水没なら問題ありませんから、うっかり水の中に落としてしまったり、突然の大雨に濡れてしまったりしても安心です。
ただし、長期間の水没には対応していません。ですから、洪水などによる浸水には耐えられませんので、ご注意ください。
また、
以前、ミスにより私が説明した条件を満たさないイルミネーションライトをご紹介してしまったことがあり、深くお詫び申し上げます。
実は、何年か前に皆様に紹介しようとブックマークしていたイルミネーションライトのページが消滅し、商品そのものもなくなってしまっていました。そのため急いで代替商品を探した結果、ご紹介する商品にミスが生じてしまいました。
このような経緯は弁解にはなりませんが、現在問題としているのは、商品の性能が、予定していたものより、いくつか劣ってしまっている点です。
具体的には、上でご紹介させていただいたイルミネーションライトは、光が弱そうでデスクライトの代わりになるのか疑問が残ります。また、防水性に関する説明のニュアンスも変更せざるを得ませんでした。
光の弱さに関しては、おそらく大丈夫かと思いますが、引き続き懸念事項としております。
Amazonを利用した詐欺の報告があるようですが、発送元がAmazonの商品であれば、基本的には安全であると考えています。そのため、先ほどご紹介したイルミネーションライトも、Amazon発送のものを選んで安心して購入できるよう紹介させていただきました。
発災後の光源は、ロウソクではなくライトで!
停電時の明かりとして、ロウソクではなく乾電池式ライトなどを使いましょう。地震発生後、ロウソクが原因で火災が発生した事例が多数報告されているからです。
余震や群発地震の有無にかかわらず、ロウソクは常に危険を伴いますが、特に余震や群発地震の発生時には、その危険性がさらに増してしまうことでしょう。
安全のためにも、乾電池式ライトなどを使用してくださいね。
リチウムイオン電池を使用した充電式ではなく
乾電池式のライトを選びましょう!
ソーラー充電器など、発電・送電・充電ができるグッズがあれば、リチウムイオン電池などが搭載されたライトや、凍死や熱中症リスクを軽減する電気製品や、その他多種多様な電気製品が、災害時でも使用可能になります。しかし、以下のことに、ご注意ください。
下の2つの動画は、携帯扇風機の爆発事故に関するニュースですが、携帯扇風機に限らず、リチウムイオン電池が搭載されている電化製品においては、同様の爆発事故が発生する可能性があります。
リチウムイオン電池は、【衝撃や水没、熱(45℃以上/暖房器具の近くも注意)や極度の低温など】が原因で爆発することがありますが、大地震発生時は、電気製品に激しい衝撃が加わる可能性が高まるため、普段以上に爆発する可能性が増してしまいます。
そのため、ライトを選ぶ際は、リチウムイオン電池が搭載された充電式ではなく、乾電池式のものを選ぶことをおすすめします。
乾電池とUSB電源の両方に対応している製品の中には、USBでの給電(送電)は可能でも、本体を充電する機能がないタイプがあります。このような製品には、リチウムイオン電池が搭載されていない可能性が高いと考えられます。搭載されていない可能性に関しては、商品の状態から推測したにすぎず、事実は定かではありませんが、USB電源対応であっても、リチウムイオン電池が搭載されていないライトであれば、使用上問題はないでしょう。
リチウムイオン電池と一口に言っても、その種類は多岐にわたり、私が知る限りでも7種類ほど存在します。これに、リチウムイオン電池の次世代型である 全固体、準固体、半固体 も含めれば、さらに種類が増えるのです。そして、それぞれの種類によっても危険度が異なるのです。
コバルト系リチウムイオン電池は、発火・爆発の危険性が最も高いとされています。しかし、ほとんどのモバイルバッテリーに採用されています。今後も、爆発事故の増加が懸念される背景の一つです。
リン酸鉄リチウムイオン電池は、他のリチウムイオン電池に比べて熱に強く、釘で刺しても爆発しないほど安全性が高いという特性があります。しかし、ライトで採用されている例は、ごく稀です。ポータブル電源や大型のバッテリー類などで採用されていることが多いのです。
とは言え、一部のインフルエンサーの間で安全性が高いと評価されているリン酸鉄リチウムイオン電池であっても、潰されるほどの強い圧迫や直火にさらされるといった過酷な環境下では、発火・爆発の可能性があります。次に安全性が高いのは、リチウムポリマー電池ですが、リン酸鉄リチウムイオン電池よりも発火・爆発の可能性が高くなってしまいます。
全固体や準固体であれば、さらに安全性は高まるものの、製造コストが高いため、推奨は困難だと、以前は考えていました。しかしながら、準固体の製品のなかには、極度の低温下(−20℃)でも使用できるものが存在するため、寒冷地にお住まいの方には必要不可欠な選択肢となり得ると再認識しました。特定の用途においては、推奨される選択肢です。
比較的安全性の高いリチウムイオン電池に関する情報は、【モバイルバッテリー】や【ポータブル電源ではない安価なアイテムで家電を動かす裏技】に関する記事で解説します。ぜひそちらもご覧ください。
乾電池式のライトには
ニッケル水素充電池がおすすめ!
一部のライトでは、ニカドやニッケル水素充電池を使用すると正常に動作しないことがあります。しかし、そういった特殊なタイプを除けば、乾電池式のライトには、ニッケル水素充電池のご使用をおすすめします。
ニッケル水素充電池は、初期費用はかかりますが、長い目で見るとコストパフォーマンスに優れています。また、電池が切れるたびに買い足す手間も省けます。
防災リュックが、重かったり、大き過ぎたりすると動きにくくなり、逃げ遅れるリスクが高まります。
しかし、小型のソーラー充電器があれば、充電池は、乾電池のように大量にストックする必要がないため、重さやかさばりの問題を軽減できます。
ただし、ソーラー充電器で充電できない日に備え、ある程度の数の充電池を事前に充電しておく必要があるため、必ずしもごく少数で済むわけではありません。それでも、乾電池をストックしておくよりは、数を減らすことができるでしょう。
ニカドのように、種類によっては危険度が高いものもあります。充電池の種類ごとの危険性や安全性については、別の記事で詳しく解説する予定です。ぜひそちらもご覧ください。
それでは、この辺で、この記事を終わりにしようと思います。
このような文章を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

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