お医者様等の専門家の方々の治療を受けることが難しい状況になってしまう震災時、私達は、自力で救命処置や応急処置を行わなくてはいけない状況に追い込まれてしまう可能性がありますよね……。治療用アイテムもないなかで……。
この記事では、素人が日用品を使用して自力でできる応急処置等の方法について、ご説明いたします。
震災時、色々な用途に使用できる汎用性が高いラップ
このラップ、注意点を守れば応急処置にも使用ができる
「ラップは傷口の応急処置に使える」「傷口をきれいにし、ラップをギュッと巻くと傷口の保護ができる」といった情報を、ネット上で、よく見かけます。ですが、この情報、実は問題があるんです。
傷口の応急処置にラップを使用するのあれば、以下の点を考慮する必要性があります。
ラップは、身体から出てくる浸出液を一切吸収しないため、蒸れてくることがあります。蒸れると皮膚がふやけてしまったり、細菌が繁殖する温床となり、感染の原因となります。
ですから、本来、ラップは使用しないほうが良いのですが、災害時、創傷被覆材がない時に、応急処置として短時間であれば使用することが可能です。もし、ラップだけを使用して治療するのであれば、雑菌を繁殖させないために、浸出液のコントロールが重要なのです。こまめにラップを取り換えて浸出液を拭いたり、ラップに小さい穴を沢山空けておいて、その上から【紙オムツ・尿取りパッド・清潔な布】等を当てて、浸出液を吸収するといった対処が必要になります。
こういったことに気をつければ、ラップも傷口の応急処置に使えなくはありません。
それから、実は、傷にガーゼを当てる方法も別の理由で良いとされていません。
まずは傷が治りやすい環境について、ご説明いたします。
傷からは浸出液が出てきます。この浸出液は、傷を治す培養液のようなものです。この浸出液を利用して、傷を湿った状態にすると、早く治りやすいのです。この治し方を、湿潤療法と言います。
傷にガーゼを当ててしまうと、ガーゼが浸出液を吸収してしまい、早く治せなくなってしまうのです。また、ガーゼと傷がくっついてしまい、カーゼを剥がす度に、傷が損傷し、痛みを発生させることがありますよね……。
逆に、食品用のラップを傷に巻き付けると、傷は浸出液で湿った環境となり、傷の治癒に良い環境となります。また、ラップはガーゼと違って、傷にくっつくことがありませんから、剥がす際に生じる痛みの問題が軽減されます。
こういった理由から、ラップが応急処置に良いと謳われてしまうことが多いのですが、雑菌繁殖の問題から、ラップを使用する治療法は、一部の専門家の方々の間で、かなり問題視されています。なかには、ラップを絶対に使用しては駄目だという専門家の方もいらっしゃるほどです。
話は変わりますが、ここからは、少し余談で、ラップに関する別の話をさせてください。
災害時、ラップを使用することによって、洗い物を減少させ、水を節約できたり、防水、防寒、ニオイの対策等……もできるんです。それらのやり方は、別の記事で説明させていただきますね……。
また、ラップの素材は3種類あり、それぞれ得意分野が違うんです。ラップを、種類ごと、どのように使い分けたらいいのか、その辺のところも別の記事で説明させていただきます。
この辺で、一旦、ラップの話は終了させますね……。
ガムテープを巻き付けると止血ができる
血を失いすぎると出血性ショックや生命の危機が生じ、大変危険ですから、他の治療よりも先に止血をしたほうがいいでしょう。実際、止血をせずに他の治療を行った場合、他の治療の効果を得られないことが多々あります。もちろん、例外はあると思いますが……。
傷口を清潔にし、【生理用のナプキン・おりものシート・清潔な布】等を出血している部位に当て、その上にガムテープをキツく巻き付けて固定をすると、たいがい止血ができます。
このとき、ガムテープを直接肌に巻き付けるのは絶対に避けましょう。テープの粘着力が強いため、テープを剥がす際に、傷口が開き、再度出血する可能性があります。
出血量が多すぎる場合は、傷口より心臓に近い動脈(脈を感じるところ)を強く圧迫しながら、固定をします。
出血箇所が手足であれば、心臓から血液が大量に送り込まれないようにするために、心臓より高い位置に上げてから、止血をすると、やりやすいです。
ガムテープがない場合は、
出血している部位に直接、清潔な布等を当て、手で強く押さえます。これを、直接圧迫止血といいます。
大きな血管からの出血の場合で、片手で圧迫しても止血できないときは、両手で体重を乗せながら圧迫止血をします。ほとんどの場合、この直接圧迫止血で止血できます。
注意点
◉止血を行うときは、感染防止のため、ゴム手袋や、ビニール手袋、ビニールの買い物袋等を手袋代わりに利用して止血を行ってください。
◉瓦礫やガラスの破片等が深く刺さってしまっている場合は、自己判断で抜いてはいけません。刺さっている物で止血されているような状態だからです。ただ、刺さっている物が動いてしまうことで、傷を悪化させてしまうことがないよう、周りを清潔なタオル等で覆い、物が動かないように固定をしてください。
◉止血をするために手や足を細いヒモや針金で縛ると、神経や筋肉を損傷させる可能性があるので、絶対にしてはいけません。
◉ガーゼやハンカチ等が出血で濡れてくるのは、出血部位と圧迫部位がずれている、または、圧迫する力が足りないためです。
話は変わりますが、ここからは、少し余談で、ガムテープに関する別の話をさせてください。
ガムテープは、瓦礫や割れたガラス等によって破れてしまった服や靴の補修にも使えます。
また、サイズの大きいビニール袋やシートがあった場合、ガムテープで繫ぎ合わせれば、簡単な屋根を作ることができます。冬場に雨に濡れてしまい、その状況の改善が図れなかった場合、短時間で凍死してしまいます。雨具や身を守る物が何もない場合に、雨に濡れないよう、急いで屋根を作るとマシな環境になる場合があります。
ただし、ガムテープって、嵩張るので、持ち運ぶのが難しいですよね……。
女性でも簡単に円形を潰れしてペチャンコにできるそうなので、潰した状態で持ち運ぶといいのかもしれませんが、もとから小さいサイズのガムテープもあるので、どちらか適切だと思ったサイズのほうをチョイスしてくださいね……。
小児・乳児に対する心肺蘇生法
新型コロナウイルス感染症のことを踏まえた心肺蘇生法
骨折が疑われる時に使用できるラップ
情報発信元 東京都
情報発信元 警視庁 災害対策課 災害警備情報係
【東京都】も【警視庁 災害対策課 災害警備情報係】も、両者共に、骨折が疑われる時にラップの芯を添え木にし、ラップで固定する方法を説明していますね……。ラップを用意しておくといいのかもしれません。
震災時の状況について
震災時は、電話が繋がらないことが多々あるので、救急車を依頼するために通報できないことがあります。仮に通報できたとしても、救急隊員の方々の人数や救急車の数が、致命的に足りません。ここまでは、皆様、よく知っていらっしゃることだと思うのです。ですが、こういった問題だけに留まらず、別の問題も発生してしまうのです。救急隊員の方々は、道中、多くの人から助けを求められてしまい、それが故に、目的地まで辿り着けないという問題に巻き込まれてしまうのです。また、意外にも、消防署のシャッターが破損してしまい、救急車を出動させることができないという問題までも発生してしまうことがあるようです。そして、病院は病院で大混乱で、通常通りの治療ができないことは、ご存知の方も多いと思います。
その結果、私達は、大怪我をしても治療をしてもらえない可能性が高いですよね……。ですから、前もって、ある程度、それぞれの人間が、自力で対処できるよう準備をしておく必要性があると思います。出来る限り準備をしておきましょうね……。とても大変なんですが……。
説明が下手で、ちゃんと説明できているのか不安ですが、この記事は、この辺で終わりにしようと思います。こんな下手な説明を、ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
それでは、失礼いたします (^.^)/~~~