火災発生の可能性を減少させる方法や、消火活動のことについては、他の記事で説明させていただきますが、今回、この記事では、火災による死亡原因 第一位である、煙の問題への対策について、ご説明いたします。
多くの人は、火災での死亡原因は、焼け死ぬからだと思っていますが、それは正しい理解ではありません。
建物の火災による死亡者の8割は、煙に含まれる有毒ガスの影響によって窒息したことが原因で亡くなっています。想像に反して、発炎後10分も経たないうちに、致死量に達する有毒ガスが発生してしまうのです。実は、炎で焼け死ぬということは、ほとんどないのです。
ただ、この8割という数字は、震災時のデーターではありません。とは言え、震災時であっても、煙に含まれる有毒ガスの影響によって窒息死してしまう可能性は高いでしょう。
ですから、煙を吸い込まないようにする対策は、非常に重要なのですが、何故か、かなり危険な対策法を、おススメしておられる防災のプロの方々が多数いらっしゃいます。「火災時は、【防煙フード】(or ゴミ用のポリ袋)を被ると良い」といったようなことを、皆様仰っていました。
これに関して、多数の問題を感じています。
私が危惧している【防煙フード】の問題点は、【防煙フード】に関する様々な種類のテストを行われた方も危惧しておられます。断定的になることは、決して良いことではありませんから、断定的に考えているわけではありませんが、やはり、テストの結果は、そうなったか! と感じております。
【防煙フード】が何なのか分からない方は、この下のボタンをクリックしてくだされば、【防煙フード】の画像が表示されますので、ご覧ください。
逃げる時に進行方向にある瓦礫等を除去するために
手を空けておく必要性があるはずでは……
防災のプロの皆様、普段お話されている内容との間で矛盾が発生しております。
「震災時は、瓦礫等を手でどかしながら逃げなくてはいけないため、手を空けておく必要性がある。ですから、懐中電灯よりも、ヘッドライトのほうがいい。」といったようなことを、皆様仰っていたのにもかかわらず、何故、手で握るタイプのグッズをオススメされているんでしょうか? って不思議に思ったんですよね……。
私個人も手を空けておく必要性があると思っています。瓦礫によって通行止めにされ、逃げることができなくなってしまい、大変危険な目に遭った……というのは、よく聞く話ですからね……。まあ、でも、手を空けておくだけではなく、防刃手袋等も必要だと思っていますけれどね……。
それに、子供連れの場合、急いで子供をオンブしなければいけなかったり、荷物が多かったりで、ただでさえ。手が塞がれていますから、【防煙フード】のように手を使うグッズは、よけいに問題が発生しますよね……。
火災時の火の粉の飛距離は、50m〜200m位
まれに 2km以上も遠くまで飛ぶこともある
何故、燃えやすい素材で火災用グッズを製造しちゃったの?
【防煙フード】って、耐火性や耐熱性がない物が多いんです。それぞれの商品購入ページの説明欄に、「耐火性がない」「耐熱性がない」等の記載があることが多く、なんか、それが非常に気になっていました。
素材は商品ごとで違いますが、熱で溶けてしまう素材であることが多く、飛んできた火の粉によって【防煙フード】が溶けて、顔に貼り付いてしまうことがあるのではないか? と危惧していたんですよね……。貼り付いてしまったら、火傷しますよね?
肌に貼り付いてしまった場合、剥がすのが大変そうですから、今から語る問題に類似する問題が発生する可能性があると思っています。
ほんの一瞬、火に触れて火傷をしてしまった場合と、
鍋等が倒れ、お湯や油等で火傷をしてしまった場合とでは、
お湯や油等で火傷をしてしまったときのほうが、火傷の重症度は増してしまう傾向性があるんだそうです。人間、熱いと反射的に手や身体を遠ざけます。ところが、お湯や油等は服に染み込んでしまい、服は一瞬では脱げないので、皮膚は熱い状態のままになります。熱い状態のままが長く続いてしまうので、お湯や油等のほうが重症度が増してしまう傾向性があるんです。
【防煙フード】が貼り付いた場合も、類似する現象が起きませんか?
と言うか、服は、ビニール製等の一部の素材を除けば、溶けませんから、貼り付きません。ですが、【防煙フード】は、熱で溶ける素材なので、皮膚に貼り付いてしまう可能性があります。ですから、【防煙フード】って、服よりも酷い現象が発生する可能性があるのではないだろうか?って思っているんですよね……。
有毒ガスから守りきれないですよね
火の粉によって溶けて穴が空いたら、結局、一酸化炭素等の様々な有毒ガスが入ってきますよね……。
呼気に含まれる二酸化炭素だって、有毒ガスですよ
二酸化炭素の濃度を高めてしまう環境ですよね
呼気による二酸化炭素の影響で数分しか使用できないので、意味がないのではないか? と思っています。商品の購入ページの説明欄に、「2分から3分呼吸ができる」って書いてありましたが、数分で安全な場所に逃げられるでしょうか?
二酸化炭素が高濃度に達してしまえば、一般的に、呼吸困難、頭痛、めまい、吐き気、等の症状が発生してしまいますし、重症化すれば、見当識の失調、意識消失、等が発生してしまいます。最悪な場合には、死に至ることだってあります。
煙に含まれる有毒ガスである一酸化炭素のことばかり気にしていても、解決につながらないんですよね……。呼気に含まれる二酸化炭素、あれだって、有毒ガスですよ……。
【防煙フード】被って、重症化するってことはないんじゃないのか? って、そう思ってはいるんですけれど、仮に、そうであったとしても、【防煙フード】の中って、かなり危険なんじゃないですか?
【袋を被って火災避難??「防煙フード」の闇に迫る】という記事は、【防煙フード】に関する様々な種類のテストの結果を説明してくださっています。下のボタンをクリックしていただくと、記事が表示されます。
紹介した記事の内容を一部だけ引用します。
検証では接炎貫通試験を模して、ターボライターの炎を製品から15cmほどの距離に近づけた。簡易的なテストであるが、袋はみるみる内に溶けて穴が空いた。
直接、火を付けてはおらず、15cmという距離があるのにもかかわらず、穴が空いてしまうのは、悪い意味で凄いですね……。ただ、実際の火事は、ターボライターよりも炎の大きさが大きく高温になりやすいので、もっと距離が遠くても溶ける可能性があるのではないかと思っています。
先ほど紹介した記事に記載された、様々な種類のテストによると、呼気等によって生じる結露で、視界が遮られてしまう等、その他、何点か複数問題が生じるみたいですね……。
【防煙フード】……って、かなり危険なアイテムです。使うべきではないと思います。
若干話は変わりますが、【難燃性ポリ袋】のほうが熱に強いので、マシなんじゃないですかね?
結露の問題が発生する可能性がありますし、難燃性って、燃えにくいだけであって、燃えないわけではないので、やはり注意が必要なんですが、それでも、やっぱり、【難燃性ポリ袋】のほうが、【防煙フード】よりマシだと思うんですよね……。
これ、普通のゴミ袋と同一視しないでくださいね……。
サバイバルマスク (避難用 防煙アイシールド・マスク一体型)
このマスク、N95呼吸装置としての規定をクリアーしているらしいのです。この規定をクリアーしているということは、マスクの性能は、かなり高いはずなんですよね……。煙だけではなく、感染症にも効果を発揮するはずなんです。
と言うより、本来、【N95マスク】は、感染症に対して、一般的な普通のマスクよりも高い効果を発揮するタイプのもので、一酸化炭素に対しては、極端な効果を期待できるわけではないはずの物なんですよね……。ですが、商品の説明欄を読んでみると、煙に含まれる汚染物質を除去できる効果があり、呼吸が確保できるそうなので、N95マスクとしての効果以外の効果も保持しているということなんでしょうね……。
このマスクは、世界でも有名な認定試験機関であるネルソンラボラトリーズの厳格な試験方法で、評価試験が実施され、その結果、火災やバイオハザードから生じる汚染物質を捕集する性能が高いことが確認されたそうなんです。
【N95マスク】は、隙間をなくすことで漏れを防ぐために、顔の形やサイズに合うものを使用することが使用条件として、かなり重要なはずなんですよね……。であるのにもかかわらず、商品の説明欄に記載されている説明によると「形やサイズにかかわらず、どんな顔にも適応します」とのことらしくて、これは、いったい、どういうことなのでしょうか? と不思議に思っていました。
この疑問の答えは、10枚セットの商品の説明欄を読んで、最終的には分かったのですが、1枚入りの商品の説明欄には説明がなかったので、最初は分からなかったんですよね……
10枚セットの商品の説明欄から引用……「医療グレード接着剤付のマスクで顔を覆い、どこからも煙の微粒子が入りこまないよう密封されます。……(中略)……使い方はシールをはがし、マスクを顔に貼るだけ……(以下略)……。」とのことで、医療グレード接着剤の効果によって隙間が生じ難いので、顔の形やサイズが関係ないってことなんでしょうね……。
私と同じ疑問を持つ方はいると思うので、1枚入りの商品の説明欄にも、ちゃんと説明がほしいですね……。
まあ、とにかく……
こういったマスクなら手が塞がれませんし……
商品の説明欄に「アイシールドは煙の中でも見通せる曇り止めが施されております。」と説明があるため、視界が確保しやすい商品なのかもしれません。
また、呼気に含まれる二酸化炭素によって生じる中毒症状も、【防煙フード】よりはマシな結果になるでしょう。「解決」と表現せず「マシ」と表現した理由は、【N95マスク】の場合、呼気に含まれる二酸化炭素が蓄積し、酸素濃度が低下し、息苦しさを感じてしまうことが、多少あるからです。何故かと言いますと、【N95マスク】は、濾過能力が非常に高く、その高い濾過能力によって空気の流れが制限され、多少、呼吸が妨げられてしまう可能性があるからなんです。ですから、「解決」と表現せず「マシ」という表現にとどめました。使用中の息苦しさは、【防煙フード】より、マシなはずなんです。
また、【防煙フード】よりも熱に強い素材でできています。素材の名称が、【防煙フード】のものと雰囲気が似ていますが、別のものです。ただ、【防煙フード】より熱に強いってだけで、不燃性ではないので、その辺のところが凄く気にはなりますが……。そうは言っても、やはり、【防煙フード】よりはマシな結果になるでしょう。
厚みがないことでバック等に携帯ができる小型のマスクのなかでは、かなり優秀なほうではあります。私は、基本的に携帯できるものであることが、かなり重要だと思っています。地震は、いつ、やってくるのか、分からないからです。このマスクは、ゴツいマスクと違って携帯ができそうなので、その辺が利点だと思っております。
それから、小さな子供って、震災時、恐怖でパニック状態になっている時に、【防煙フード】のような袋状の物を覆い被せると、余計にパニック状態になってしまう可能性があります。袋状の物よりは、マスクのほうが恐怖心を持たずにいられるのかもしれません。新型コロナの影響で、マスクへの慣れもあると思いますし……。
ただ、この【N95マスク】、12歳以上でないと使用できないサイズなんだそうです。その辺が非常に悩ませられる点ですね……。
こういったサイズの問題があるのですが、そうではあっても、【防煙フード】に比べれば、マスクのほうが、マシである可能性はあります。
持ち運び可能な小サイズの空気清浄機
煙用の空気清浄機ではありませんし、広いスペースを清浄できるタイプの空気清浄機ではありませんから、過信しないでいただきたいのですが、一応、一酸化炭素などのガスを遮断できるそうです。
また、耐高温設計との表示がありました。どの程度、耐性があるのか分かりませんが……。
それから、滑り止めシリコンマットがついているので、揺れ動き難く安定性があるのかもしれません。過信するべきではありませんが、滑り止めマットがないよりは、マシなのではないかと思っております。
車内用ですが、それ以外の場所でも使用できるみたいなので、上で紹介させていただいたマスクと併用するのは、どうなのだろうか?って思っています。
まあ、マスクの性能に関しては、試験によってデーターが出ており、性能の良さは証明されているのでしょうけれど、震災時は、激しい身体の動きによって大きく筋肉が動き、マスクに微かな隙間ができてしまったり、瓦礫の隙間を縫うように動いた結果、どこかに引っかかってしまったり擦れてしまったりする可能性がありますから、試験の結果通りの結果が得られるとは限らないと思っています。私は、現実と試験の状況は違うと捉えているんですね……。ですから、併用できる物があるなら、併用したほうがいいと思っています。
まあ、とは言え、数百グラム分の荷物が増えて邪魔になりそうですけれどね……。それでも、……。
子供用の防煙マスクについて……
上で説明した【N95マスク】って、12歳未満の小さな子供さんは使用できないんですよね……。なので、小さいお子さん用の防煙マスクを他に探しました。ですが、見つけられなかったんですよね……。
まあ、ただ、子供用の防煙マスクがあったとしても、赤ちゃんや幼児の場合、本人が無理矢理マスクを剥がし取ってしまう可能性はありますけれどね……。
まあ、そうなってしまうからこそ、子供用の防煙マスクを作るのは難しいのかもしれませんが、かといって、子供用の防煙マスクが、他のどこにも無いって、どうなのでしょうか? 小さな子供って、剥がし取ってしまうこともあるだろうって分かった上で、一応、マスクを作ってくれても、よくないですか? って思うんですよね……。
まあ、ただ、子供用の防煙マスクがない本当の理由は、知りませんけれどね……。
子供への一酸化炭素対策として、上で紹介した空気清浄機が役に立ってくれればいいのですが、過信しすぎるのは、考えが甘いと思いますし、どうしたらいいんでしょうね……?
まあ、でも、空気清浄機がないよりはマシである可能性があります。ですから、一応、使ってみるのも悪くはないのかもしれません。空気清浄機の場合、子供に剥がし取られてしまうといったことが、起こりづらいですからね……。
子供用の防煙マスクが、他のどこにもないのは、どうしてなのでしょうか?
マスクのことに限らず、他の防災関連の情報や、他の分野の情報であっても、たいがい、こんな感じで、子供用の情報って、ほぼないんですよね……。
防災関連の様々な動画や書籍を見聞きして感じたことは、「子供・子育て中の人・お年寄り・障害者等に適した情報が、ほぼ無いと言っていいほど無い。そういったところが不思議でしかたがない」といった空虚感でした。大人にしか使用できない情報が、あるのは当然です。子供にも、お年寄りにも、若者にも、中高年にも、といったように、全ての人に適した情報じゃなきゃいけないなんて縛りをかけたら、解決案なんて1つも出せなくなってしまう可能性があります。ですから、ある程度、対象者にムラが出てしまうのは仕方がないことなんですが、子供・子育て中の人・お年寄り・障害者等の方々が使える情報が、少しぐらい、あっても良くないですか?って思うんですよね……。ですが、ほぼないんですよ……。まあ、辻直美さんの情報は、子供にもお年寄りにも使える情報が多いんですが……。
これ、不思議なんですよね……。だって、大地震は、年齢や状況に関係なく全ての人に襲いかかってくるものでしょう……。そういったタイプの問題の解決策が、一部の人にしか使えない方法しかないだなんて、本当に人々を救う気があるのでしょうか?って聞きたくなります。「子供・子育て世代・お年寄りって、人数多いですよ……。分かっていますか?」って思いますね……。少数派が軽視されていい、なんてことは、絶対にないのですが、多数派の問題にすら意識が及ばないのですから、不思議でならないんですよね……。
こういうことが、多いんですよ……。防災関連や、他の様々な分野の情報って、たいがいそうなんです。毎回毎回……なんですよね……。
ってことは、世の中は、子供や子育て世代に優しくないってことなんですよね……。なのに、少子化対策で子供を産めって言うんですよ……。経済状況が悪化しているうえに、いつ、地震が来ても、おかしくない時代になってしまったのにもかかわらず、人を救うための防災対策関連の情報ですら、子供と子育て世代に優しくないのですよ……。そんななかで、何故、子供を産めと言えてしまうのでしょうか? 本人が産みたい場合は、状況を鑑みて産むのは自由だと思いますが、他者が強要するのは、よくありませんよね……。物凄く薄情で無責任な発想で呆れて物が言えません。言っていますが……。
まあ、世の中は、自分のことしか考えていない人間が多いのでしょうね……。それはそれで、仕方がないことですけれどね……。
最後に……
昔は、地震が来たらガスコンロの火を止めるように教えられましたが、最近では、やってはいけないことの1つとして例に挙がるようになりました。火を止めようとしてコンロに近づくと、火傷をしてしまう可能性が高くなるからなんです。地震の揺れによって鍋から零れ落ちた熱湯や油等で、火傷をしてしまった方が非常に多いんです。地震が来た時、ガスコンロは安全装置で自動的に火が止まるようになっています。ですから、火を消す必要性はありません。近づかないようにすることが重要です。
このように、様々な教えは日々変化をしています。昔、正しいとされていたことが、今は、正しくないこととして認識されています。このように教えが変化してしまっているぐらいですから、今、正しいとされていることのなかにも、未来では否定されてしまうことがあるでしょう。
また、防災士さん同士でも、人それぞれ見解が違うことが、まれにあったりします。
そういった状況なのですから、防災士さんがススメている商品だから良い物だろうと、何も考えずに信じてしまうのではなく、自分の頭を使って、よく考えみてほしいと願っています。推考・脳内シミュレーション・試行実験・確認作業をする等、何かを購入する際には、色々なことに慎重になってみて下さいね……。苦しみも、お金の無駄遣いも、両方避けたいものですから……。
説明が下手だったかもしれず、不安なのですが、この記事は、この辺で終わりにしようと思います。こんな下手な文章を、ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
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それでは、失礼いたします (^.^)/~~~